
仕事で絵を描いている人にとって、作画スピードは収入に直結するだけでなく、自由にできる時間を増やす技術です。
増えた時間で更に仕事を受けてもいいですし、お休みを多くとってもいいわけです。
収入と休暇のライフワークバランス的にも最重要と言っても過言では無いでしょう。
というわけで、努力0で作画スピードを上げてくれる道具はどんどん取り入れるべきです。
PCでゲーミングデバイスが最強
ありがたいことに最近は作家さんから作業の速さを褒めていただけることが多いのですが、個人的に最も速度に差が付きやすいのは左手デバイスの有無だと考えています。
趣味で書いている人はiPadでテンキーなりゲームパッドなりを駆使しているかと思いますが、やはりPC&ゲーミングキーボードのセットには遠く及ばないのではないかと考えています。
私も一時期Tabmateを使っていましたが、キー数の少ない&小さいデバイスではほとんど作業効率があがりませんでした。
というかTabmateに関して言えば小さすぎ&ボタン硬すぎで指が痛くなる始末…
女性の手にはちょうどいい大きさだと思うんですが、それだとボタンが硬すぎなんですよね。
おすすめは左手キーボード型
そんなわけで私が今使っているのはこちらのデバイス。
本来はゲーム用ですが多くの絵師が使用しているコスパに優れたアイテムです。
(なお昔の名機n52teの後継ではありますが、似ているのはガワだけで中身は別物だったりします。
n52teは内部にキー情報を記録しできるものだったため何かと便利だった…)
私が使っているのはこちらのpro型ですが、下のV2型の場合はもっと安く買えます。
絵を描く上での大きな違いは打鍵感と音ですが、
キーの仕組み的にpro型(オプティカル)のほうが耐久性が優れていて、打鍵感がしっかりしているようです。
逆にV2型(メンブレン)は安価なかわりに耐久性に劣るものの、打鍵感がソフトで静かというもの。
このあたりは完全にお好みで決めて良いと思います。
私は打鍵感がしっかりしていて、押し込んだときに「カタカタ」としっかり鳴る方が使いやすいのでpro型を選んで使っています。
macへ導入時の注意点
このTARTARUSですが、proとV2のどちらもmacへの導入には少し注意が必要です。
windowsなら公式のソフトウェアを導入してキーの割り当てを行えるのですが、macには公式が対応していないため、PC側で他のソフトウェア(Karabiner-Elements/無料)を導入して設定する必要があります。
(あとUSB-A端子を接続できないmacの場合は変換器をかませる必要がありますので、必要ならそちらも買いましょう。TARTARUSはどちらもUSB-A接続です。)
なお、macへのKarabiner-Elementsの導入とキーの設定方法についてはこちらを参考にさせていただきました。

そしてみつき屋の実際のキー設定はこちら。
右画面の左側の項目が元々のTARTARUS側のキー設定で、右側の項目が上書きしたキー内容です。
なるべくクリスタ側の本来のショートカットと衝突しないようにしたので変なキーを当ててますが、ここはお好みで決めてしまってもOKです。

機能の割り当てについて
実際の機能についてはクリップスタジオ側のショートカットキー設定にて割り当てを行います。
画像で見るとこんな感じ。細かい内容はその下に記載しています。

なお、以下に★マークを付けたキーについては押しやすさ的にも特におすすめの設定位置ですので、何をどうしたらいいかわからない場合はまずここだけ設定して、後で自分がよく使うツールを適宜足していくのが良いかと思います。
左からTARTARUSのキー番号、Karabiner-Elementsで割り振ったキー、クリップスタジオで割り当てた機能 となっています。
★01-backspace-消去(クリスタの設定不要)
02-自由枠(元々保存キー用のSだったけどbackspaceと近いので誤消去を避けるために空けた)
★03-3-かぶらペン・shiftと合わせると保存
04-4-トンボの表示切替のオートアクション
05-5-斜線や削り系ブラシのローテーション
★06-6-メインカラー切り替え、optと合わせるとサブカラー切り替え
★07-7-透明色切り替え、optと合わせるとサブカラー切り替え
★08-command(クリスタの設定不要)
★09-shift(クリスタの設定不要)
10-g-レイヤー選択とオブジェクトツールのローテーション
★11-テンキーマイナス-画面ズームアウト
★12-テンキープラス-画面ズーム
★13-z-戻る
★14-y-進む
15-o-塗りつぶしツール2種のローテーション
★16-F2-選択範囲の表示切り替え、cmdと合わせると選択解除、shiftと合わせると再選択、optと合わせると選択範囲反転
★17-F3-特殊定規にスナップの切り替え、cmdと合わせるとアイレベルを水平にする、shiftと合わせるとアイレベルを固定、optと合わせるとスナップする特殊定規の切り替え
18-F4-エアブラシのローテーション
★19-F6-コピー、cmdと合わせると貼り付け、shiftと合わせると切り取り
十字キー-上から時計回りでRBPJ
R-回転、shiftと合わせると現在より大きいプリセットを選択
B-メインの線ペン、shiftと合わせると現在より大きいプリセットを選択
P-消しゴム、shiftと合わせると現在より小さいプリセットを選択
J-入り抜き設定のペン、shiftと合わせると現在より小さいプリセットを選択
★十字キー上のボタン-option(クリスタの設定不要)
★20-space(クリスタの設定不要)
ここまで設定すれば快適!
細かい説明はかなり省きつつ、macの場合の導入方法もざっくり説明しましたが…結構ややこしいですよね!!!!!
windowsならもう少し楽かもしれないのですが…でも結局やることは同じ(TARTARUSのキー設定とクリスタのショートカット設定の両方)なのであんまり変わらないかも。
でも、一度設定してしまえばその後のお絵描きライフはめちゃくちゃ捗ります。
プロの作家も愛用しているデバイスなので、特に仕事で描いている人はぜひ試してみてくださいね。
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